検索に引っ掛からないようなタイトル
こんにちは。Ryoです。
身内向けにムゲンダイナの話をします。
レシピは共有済み。
早く届けること重視なので文章・レイアウトは適当です。ご容赦ください。
①まずはコンセプトについて
昨今のポケカはマリィをバンバン撃つゲーム環境になってきているので、相当要求値の低いデッキでない限り、理想的な動きはなかなかできないと感じました。
そんな環境下で、先2オルター、先2ドレッドエンド270その他諸々の「先2◯◯」「後1◯◯」を毎試合達成することを目指したデッキを作って大会に臨むのはかなり無謀だと思います。(後1はマリィの影響を実質受けないので考察の余地がありましたが、理想的な動きができなかったときのデッキとしてのパワー崩壊が著しかったため、使うデッキの選択肢に入れるのは見送りました。)
先2後1というゲームの非常に早い段階で理想的な動きをしたいとなると、安定感・再現性のために本来必要な枚数より余分にカードを入れることが有効なアプローチになりますが、その余分なカードのせいでマリィで止まってしまうことが昨今のポケモンカードでは多々見受けられました。
そのため、理想的な動きをするためのカードをとりあえず使う枚数だけ積んだら、あとはマリィで止まらないように気を付けながらいろいろな状況に対応できるようにデッキを作ることが大切だと感じました。
コズガ、三神、セキタンザン、ムゲンダイナでそれを実践したところ、様々な状況に対応するための選択肢を特性ムゲンゾーンによって通常5から8に増やせるムゲンダイナが非常に強力だったため、ムゲンダイナの構築を深めることにしました。
いろいろ考察と実験を重ねた結果、特異なカードが特に採用されているわけではないが「なんかわからないけど勝てる」ムゲンダイナができました。
この「なんかわからないけど勝てる」というのは、ドレッドエンドを撃ち続けるだけでなく、手札の噛み合いやお互いの展開具合によって取る行動を柔軟に変えていける構築が組めたために、たとえ上手く回っていないように見えても最適なプレイを繰り返すことで結果的に勝てる、ということなのかなと思います。
なので、ドレッドエンドのサイド獲得力に依存していた簡単なムゲンダイナ(回収ネット等)に比べるとプレイの難易度は高まりましたが、そのぶん事故に強く使い手の選択が如実に勝率に影響してくるデッキになりました。
②続いて対戦中に意識することについて
4点あります。
☆1点目、いろいろ言いましたが先2ドレッドエンドでサイド2を倒すかサイド3を削る(あるいは倒す)のが一番強いです。基本的にはそれを目指します。
しかし、毎試合必ずその動きができる保証はどこにもないので、できなかったときのサブプランとしていろいろな選択肢を頭に入れておくことが大切です。
例えば、
ムゲンダイナのパワーアクセル
ミカルゲのくもんのさけび
ヤミラミのかなしばり
ニャースのではなをくじく
イベルタルのせいきをすいとる
クロバットのどくのキバ
ボスの指令
かんしゃくヘッド
げんきのハチマキ
等です。
これらを組み合わせることで、様々なゲーム展開から勝ちの芽を作り出すことが可能です。
☆2点目、最初に山札を見たときは、1枚しか入っていないグッズとリセットスタンプの枚数をまず確認し、その後ムゲンダイナVMAXとクロバットとボスの指令の枚数を確認します。(方法はこれが絶対ではありませんが、確認するカードについてはこれが絶対です)
これらの確認は、ゲームの中で様々な選択をする上で有効な判断材料になることが非常に多いので、正しい選択をし続けるためにも必ず確認してください。
例えば、
・手札の枚数が欲しいときにぼうけんのカバンで枚数を増やせるか
・ムゲンダイナVMAXを1枚トラッシュしても大丈夫か
・クロバットが何回使えるか
・グレキャ、スクラッパーが山札にあるか
・スタンプを何回撃てるか、引きやすい状態か
・ベンチを何回呼べるか
・ハチマキの10点があると強いか
・ゲインが山札にあるか
・いれかえ札が何枚あるか
等です。
上記の例は毎試合必ず考えるようなことではありませんが、ゲーム展開次第では考える可能性が高い要素なので、その都度正しい判断を行うための準備は重要です。
☆3点目、ムゲンダイナというデッキは、サポートを手札に引いてきて毎番撃つことが何より重要なデッキです。
ねがいぼしやデデチェンジ、ハッピーマッチが使えないことから、とにかく「手札に」サポートを確保することが先決です。
サポートが手札に確保できていないならクロバットで引ける枚数をなるべく最大まで持っていく必要がありますし、
手札に確保できているサポートを捨ててまでナイトアセットで引く枚数を1枚増やすのは、状況にもよりますが基本的に間違ったプレイです。
このような理由があるため、山札に入っているサポート枚数をゲームを通して維持し、引く確率を増やす友達手帳はムゲンダイナに必須だと感じます。
相手のリセットスタンプで止まって負けたゲームがあったとしたら、「仕方ない」と割りきる前にもっと多く山札を引けなかったか要所要所考えてみてください。
☆最後4点目、3体目のムゲンダイナVMAXは基本的に不要です。
3体目のムゲンダイナVまでエネルギーが貼れた試合では進化させる選択肢が生まれますが、それ以外のゲームでは進化させるとことごとく裏目に出ます。
デッキとして3体目が必要ならサイド落ち考慮でVMAXの4枚目を入れますが、基本的に不要です。
むしろ4枚目を入れて高まる安定感・再現性よりマリィで止まりやすくなること、クロバットで引ける枚数が減りやすくなることの方が問題です。
まとめると、
・先2ドレッドエンドは普通に強い
・サイド落ち確認は必ず行う
・サポートを撃つことが何より大切
・VMAX3体目は不要
このようになります。これらのことを意識してプレイできていれば、あとは選択肢の取り方であらゆる場面を戦うことができます。
③各カード解説
解説が明らかに不要なカードもいくつか入っているので、
これは是非聞いてほしいみたいなポイントだけ解説していこうと思います。
・ヤミラミ(かなしばり)
スタンプに強い山札を作るのに貢献します。
手札にサポートを確保することが大切なデッキなので、サポートを引きやすくするポケモンであるヤミラミは必須だと感じます。
どのタイミングで特性を使うか悩ましいところですが、基本的にカードを引く前と引いたあとでは不要なカードが山札の一番上にある確率が高いのがカードを引く前なので、カードを引く前に特性を使います。
この特性の強みは「山札の一番上を見れる」ことではなく、「山札の一番上をトラッシュできる」ことだと理解する必要があります。
山札の一番上を見てそのままにするのであれば、ヤミラミは使う意味がありません。
また、ワザのかなしばりがいろいろな場面で使えます。
1ターン止まってもらいながら10点入れられるので、1ターン止まってもらいながら10点入れるのが強い場面でバトル場にいきます。
当たり前なことを言っているように聞こえるかもしれませんが、それぞれの役割を言語化しておくことで、今何が必要か考えたときに正しい選択に辿り着きやすくなります。
ヤミラミは、「1ターン止まってもらいながら10点入れられるカード」であると覚えておきましょう。
・ミカルゲ(くもんのさけび)
コズガ対面で一番最初に戦うポケモンです。ジラーチを倒した次の番にはオドリドリを倒せると考えると、それなりのプレッシャー効果が見込めます。
うらみだめをしながら、対戦に有効なダメージを出せるタイミングでエネルギーを貼って攻撃します。
コズガ対面では、ミカルゲを最初に倒してもらいながらサイドを1-3-3で取らせるゲームを作ります。
バーストGXと望遠スピットシュートのどちらをケアするかという問題なので、明らかに要求の低いバーストGXをケアするのは当然です。
ちなみに1-3まで順当に取られると2体目のムゲンダイナVMAXのエネルギーが間に合わないので、そこでカウンターゲインが必要になります。
ミカルゲで1枚サイドが取れていれば、1体目のムゲンダイナで少し取って2体目のムゲンダイナで相手を止めながら残りを取るような展開になってくると思います。
ミカルゲでサイドが取れなくても、ズガドーン側がミカルゲを倒すためにズガドーンを使うとは考えにくいので、サイド2以上で出せるダメージが固定されているポケモンを盤面に出させて溶接工を撃たせることでゲームを作っていくことができます。
このように、ミカルゲでサイドが取れているかどうかではなく、ミカルゲがバトル場にいることでどうゲームが進んでいくかを考えながら戦うことが重要です。
コズガ対面以外でも、デスカウントの布石や、バッドポイズンで乗ったダメカンでマタドガスを倒したりなど、本当にいろいろな役割を買って出ることができるポケモンとなっています。
・アローラニャース
アサルトゲートのフーパと取っ替え引っ替えしていましたが、ズガドーンに先攻を取られた際に、バトル場に残ったジラーチを0エネルギーで倒せるのが強いと感じて最終的に入れました。
ズガドーンが後攻を取るようになったことと、環境全体のジラーチの採用率が落ちていることから、現時点では要調整枠となっています。
ミラーのムゲンダイナに70入れておくと最大ドレッドエンドでワンパンできるのは確かに強いかもしれませんが、後1でニャースにサーチを使ってそのニャースを倒された上でさらに次の番に270出すのはかなり難しいので、素直に途中でミカルゲを挟む方が捲りとしては現実的かなと思います。
0エネ10点が機能する場面もなくはないので、要検討です。
・イベルタルGX
サイド獲得力という意味では、ドレッドエンドの次に強いワザを持ったポケモンです。
デスカウントがあるおかげで、サブプランとして倒したいポケモンに40点乗せる行動が強くなります。
また、HP180で闘抵抗持ちなので、ふんかだんが先かドレッドエンドが先かみたいなゲームになったとき、バトル場に出て壁になってくれます。
サブプランのほとんどは、デスカウントをどう通すかみたいな思考が多いような気がします。
グレートキャッチャーで呼ばれるリスクももちろんありますが、それ以上にデスカウントが使えることの方が選択肢を広く持つことができるため、ムゲンダイナには必須だと感じます。
せいきをすいとるはまだ撃ったことがありませんが、「ここせいきをすいとるアリだなー」って思ってサポートで引いたら強い引きしたから使わなかったみたいな場面が何度かあったので、全く使わないかというとそうでもないです。
・アブソル
ジラーチメタ、あるいはジラーチを使うデッキに対しての妨害という意味で採用はしましたが、
にげるが1増えるというのは相手のエネルギーを1枚余分にトラッシュさせるということなので、
手貼りが重要な現環境ではとりあえず置いておくだけで思いがけない活躍を見せます。
特に攻撃したりはしませんが、ゲーム全体を通して常に相手にストレスをかけ続けることができ、多くのゲームでそれが後々効いてきます。
練習してるときは持ってこれるタイミングであえて置かずにプレイをすることで「アブソル置いてたらこうなってこうなって有利な盤面になってたー」みたいなポイントに何個も気付きました。
この構築の「なんかわからないけど勝てる」の手助けをしてくれる優秀なポケモンだと思います。
・友達手帳
サポートが大切なデッキであり、常にサポートを撃ち続けるためにはサポートからサポートを引いてくる必要があるため、必須です。
これのおかげでベンチをグレキャ含め最大6回呼べるので、相手に1ターン待ってほしいときに積極的にボスの指令で逃げにくいポケモンを呼ぶことができます。
それによって先手後手をひっくり返し、VMAXを使った対戦で最も重要な先殴りをしやすくした上で、最終盤にもしっかりボスの指令が山札に残るようにしています。
また、ベンチを呼ぶ手段が山札に残れば残るほど、三神ザシアン対面のザマゼンタVに対して分の良い勝負ができるようにもなります。
博士の研究を2枚戻すのも強く、最後のグレートキャッチャーで勝てるゲームでは相手のリセットスタンプからのこちらの勝ち筋が割りと太く残ります。
勝つか負けるかの重要な局面で勝ちを拾いにいけるカードを余った枠に1枚入れておくのは、安定感や再現性というよりも勝率を上げるという意味で大切です。
・ぼうけんのカバン
・げんきのハチマキ
・ふうせん
・カウンターゲイン
道具一式です。非常に役割が多いです。
まず役割があるそれぞれの道具を1枚ずつ入れ、ぼうけんのカバンを採用して実質2枚入っているような感覚で使えるようにしています。
げんきのハチマキは、+10点が大きく働くゲームが結構あるので、展開を考えてつけられると強いです。
ムゲンダイナVMAXにつけた場合、基本的にムゲンダイナは2回攻撃するので、かんしゃくヘッド2回分と考えて戦うことができます。
セキタンザンのストーン闘エネルギーに対して、こちらはマオスイを考慮して220くらいを2回与えて倒していきたいため、10点20点の追加がかなり重要なことが多いです。
そのため、セキタンザンに対してハチマキムゲンダイナで攻撃することは非常に有効です。
また、ムゲンダイナVのパワーアクセルにつけることで、デスカウントのプレッシャーをかけることができます。
イベルタルを無理やり倒させることでパワーアクセルを撃ったムゲンダイナが残り、サイドを2-3-3と取らせるゲームを作ることもできるので、必要なときはハチマキパワーアクセルを撃ちます。
他にもいろいろな強いシーンがあるので、その場その場に応じてつけるポケモンを変えられるとベストです。
10点を追加するという意味ではかんしゃくヘッドや回収ネットと同じ役割ですが、かんしゃくヘッドはベンチにジグザグマを出すのが弱く、回収ネットはかんしゃくヘッドがいないと10点を追加できないという欠点があります。
回収ネットのいれかえ札としての役割は、ぼうけんのカバンからげんきのハチマキとふうせんを取ってくることで擬似的に再現でき、軽率に回収ネットを複数採用するよりも有効な場面で使いやすくなります。
ふうせんは、採用することによってぼうけんのカバンの価値を高め、回収ネットに比べて山札の圧縮も進められるようになりました。
三神ザシアンに入っているザマゼンタVのアサルトタックルでHPを削られながらハイド悪をトラッシュされるとかなり負けが濃厚になるので、
そういった場面でムゲンダイナにふうせんがついていると1エネ切って逃げる選択が可能になります。
ハチマキ、ゲイン、ふうせんと場に置いておくと三神ザシアン側はツールスクラッパーでハチマキとゲインを割りたがる(ハイド悪をつけたムゲンダイナのふうせんは割るメリットが特にないが、ゲインはついてるポケモンによっては有効なワザを撃たれる可能性がある)ため、相手の思考にもよりますがふうせんが残りやすい道具構成だと感じます。
カウンターゲインはいろいろ使える道具で、わかりやすいところでは
・コズガ対面での1エネゲインドレッドエンド
・0エネかなしばり
・1エネゲインどくのキバ
・0エネパワーアクセル
等があります。
ムゲンダイナをワンパンしてくる対面では必須カードですが、それ以外のデッキと戦うときもいろいろできるカードです。
迷ったときは1ターンもらえる可能性があるヤミラミにつけることが多いです。
・ナイトシティ
ムゲンダイナのスタジアムは主に、混沌のうねり、無人発電所、ナイトシティの3択かと思われます。
そのなかでナイトシティを選択したのは、
他の2種類は特定のデッキのメタにはなっても別に引いて嬉しいカードではないが、ナイトシティは明確にクワガノンに強いカードでありながら自分の動きを強くするカードだからです。
また、アタッカーをコロコロ変えることで状況対応力を得ていますが、それはナイトシティがあるおかげで成り立っているところが大きいです。
うねり無人も悪くはないと思いますが、先2ドレッドエンドのためにムゲンダイナをバトル場に出すカードの枚数はある程度確保しなければ強いデッキとは言えない上に、本来ふうせんやいれかえを数枚入れる枠をスタジアムにできると考えると、ナイトシティが適任であると感じます。
個人的なうねり無人に対しての感想としては、「テキストでは確かに勝ってるかもしれないけれど、ゲームには負けている」というものでした。
④入れるか考えたカード
入れるか迷ったカードは何枚かあります。
・フーパ(アサルトゲート)
アローラニャースと迷っていました。
練習していても「ここでアサルトゲートがあれば」みたいな場面はかなりありましたが、コズガへの勝率を担保するためにニャースにしました。
しかし、コズガが後攻を取るようになってきたので、ニャースが有効に働くことが少なくなりました。
入れ替えを考えています。
・フーパ(あくのいましめ)
いろいろできて強いカードだという印象でした。
コズガのジラーチやオドリドリを倒せるサイド1としての役割をミカルゲと争いましたが、デスカウントの布石になれるという点でミカルゲに軍配が上がりました。
・ガラルマタドガス(かがくへんかガス)
このカードもうねり無人同様、「テキストでは確かに勝ってるかもしれないけれど、ゲームには負けている」カードでした。使ってみると、分かりやすく強いのでそりゃ流行るよなあとは思いましたが、別に無くても勝てるので抜きました。
マリィを撃ちたいのにマリィで止まりやすくなるのもマイナスポイントでした。
・ポケギア
かなり初期は悩んでいました。
友達手帳によって有効なサポートが山札に残りやすいことから、安定感を上げながら対応力も上げられるカードとして考えて採用していましたが、ポケギアでサポートを探している時点でムゲンダイナというデッキの構築に失敗していると感じ不採用としました。
・回収ネット
邪魔でした。ぼうけんのカバンハチマキふうせんの方が強いです。
・ネズ
博士の研究で引きたいカードはポケモンとエネルギーなので、必ず持ってこれるネズは強力だと感じます。しかし、博士の研究でポケモンとエネルギー以外も引きたい場面が多いため、ネズを撃つなら博士の研究を撃ちたいと思い、抜けました。
マタドガスを入れてゆっくりゆっくり戦いましょうというコンセプトなら、採用する価値は大いにあると思います。
以上で終わります。
じゃあ、頑張って。
【ポケカ】ドローサポートの変遷と、たねポケモン1枚の価値
SMレギュレーションAマークのカードがスタンダードレギュレーションで使用不可になり、早いもので2ヶ月が経過した。
大人気だったゾロアークGXやカプ・テテフGXが使えなくなり、プレイヤーはデッキ構築の基盤を0から考え直すことを余儀なくされた。
そんな中、新スタンダードレギュレーションでデッキを組む上で、絶対に無視できないカードが登場する。
「博士の研究」及び「マリィ」だ。
この2枚のカードは、群雄割拠だったサンムーンのドローサポート環境に風穴を開け、新たなデッキの軸として今日も全国で酷使されている。
では、この2枚のカードの登場が具体的に我々プレイヤーにどのような影響を与えたのか、アドバンテージの観点から詳しく紐解いていこう。
●たねポケモン1枚の価値
ドローサポートの影響について語る上で、もう1枚紹介しなければならないカードがある。
「クイックボール」だ。
手札を1枚トラッシュすることで、山札からたねポケモンを1枚手札に加えることができる。
サンムーンの頃は、カプ・テテフGXやデデンネGXをサーチするのにハイパーボールをよく使用していた。
そのため、一見すると非常に強力なカードに見える。
しかしサンムーンの頃、たねポケモンを1枚サーチするだけならもっと便利なカードが存在した。
「ネストボール」だ。
確かに、デデンネGXを使うならハイパーボールに比べてクイックボールは使いやすいカードだ。
だが現代のポケモンカードは、ベンチに複数並べたいたねポケモンたちをサーチするのにもクイックボールを使わなければならない。
具体的なところを挙げれば、「マーイーカ」や「アブソル」、「チラーミィ」等といったところか。
今までカード1枚で出来ていたことが、今はカード2枚を使ってようやく出来る環境になっていることがわかる。
ネストボール1枚でマーイーカを1枚ベンチに出せていたところを、クイックボール1枚(つまりカード2枚)でマーイーカを1枚ベンチに出さなければならないのだ。
以上のことから、たねポケモン1枚あたりの価値がカード1枚分上がった、ということがわかる。
タッグチームやポケモンVのカードパワーを鑑みれば、当然のことだと私は思う。
新サポートのソニアも、今までの考え方からすればカード2枚分の仕事なので、パッと見て弱そうだと感じるのはサンムーンでたくさん遊んだ証拠だと言える。
だが今ではカード4枚分の仕事をするので、非常に強力なサポートなのだ。
●新ドローサポートの影響
それでは本題に入ろう。
カード1枚分の価値が変化したことを念頭に置き、新たなドローサポートの影響について考えていく。
サンムーンの代表的なドローサポートといえば、「リーリエ」がまず挙げられる。
このカードは、手札を保持したまま山札を引きにいけるので、
手札を使う→2~4枚くらい引いて補充する→使う
というように、たとえ手札を使いきれなかったとしても、新しく引いてきたカードと合わせてやりくりすることができた。
だからこそ、ミステリートレジャーやハイパーボールといった手札のトラッシュが必要なカードであっても、
使わずに残してドローしてから使う、といった使い方ができたのだ。
しかし、現代のドローサポートは違う。
「博士の研究」も「マリィ」も、使用時点で持っている手札を全て別なところに置き、完全に新しいカードを引いてくる。
「リーリエ」のように、手札を残しながら引くといったことができないのだ。
この事実からわかることは、
引いてきたカードを可能な限り無駄なく使い、別なところに置くカードをなるべく減らしてからドローする必要がある、ということだ。
たとえば、「博士の研究」は手札を全てトラッシュして山札から7枚カードを引くサポートだ。
このサポートでトラッシュすることになったカードは全て、「使えなかったカード」、いわば無駄にしてしまった手札であると言える。
ではその「使えなかったカード」をなるべく減らすためにはどうすれば良いか。
引いてすぐ使えるカードや、1枚で使えるカードを増やすのが効果的だ。
先程のカード1枚分の価値の話にも繋がってくるものがある。
「博士の研究」で引いてきた7枚から、
2枚使って1枚になるカードを3回使うよりも、
1枚使って1枚以上になるカードを4,5回使えた方が強いのは明白だろう。
このように、ドローサポートの性質が変化したことで、我々プレイヤーはカード1枚分の価値について考え直す必要が出てきたのだ。
●まとめ
カード1枚分の価値とは、カード1枚で出来る仕事量のことであり、これが大きいほど強力なカードとなる。
ポケモンカードはドローカードが非常に強力なので、カードアドバンテージについて考えられることは少なかった。
しかし、現代のポケカは今までより深くアドバンテージについて考えることが、勝利への近道となっている。
「損をしない」デッキ作りを心がけて、当記事を読んでくれた貴方が1つでも多く勝てるようになってくれたら嬉しい。
今回はここまで。
【ポケカ】ザシアンVが強い理由、言える?
カードゲームって楽しい。
新しいカードが出続けるおかげで、全く飽きが来ないから。
でもこれは同時にビジネスでもあるので、新しいカードは既存のカードより強くなければならない。
弱いと売れないからだ。
私が今熱中しているポケモンカードにおいてもそれは変わらないことで、常に強いカードが登場し続けている。
今回紹介するのはその"強いカード"の代表格、『ザシアンV』だ。
こちらのテキストを読み、その奥の本質的な強さまで紐解いていこうと思う。
では行こう!
巷では三神ザシアンだのルカメタザシアンだの、このザシアンVが採用されたデッキが好成績をたくさん残している。
その理由はなぜか。
まずはカードのテキストから見ていこう。
特性『ふとうのつるぎ』(不撓の剣って格好いい…)
山札の上から3枚見て、鋼エネルギーがあれば自分につけられ、残りは手札に加えられるという性能。
エネルギー加速とサポート以外でのドローを同時に行っているので、弱いわけがない。
先攻でサポートが使えなくなった新レギュレーションにおいて、先攻からドローができるというのは驚異に他ならない。
また、攻撃できない番になってしまった場合もとりあえずドローして次に繋げられるため、安定感という面で非常に優秀なカードと言える。
続いてワザ『ブレイブキャリバー』
エネルギー3つで230ダメージ。
高火力で猛威をふるったレシラム&リザードンGXでさえエネルギー4つで230ダメージだったので、新時代の幕開けを感じさせる性能となっている。
1エネルギーあたりのダメージが70ダメージ超えと、アサルトサンダー並みのエネルギー効率をしており、連発できないデメリットもポケモンいれかえで解決するので本当に隙がない。
エネルギーの加速手段もあるので2ターンあれば動かせるようになる点もこのカードを最強足らしめている所以だろう。
総合的に評価してみると、レギュレーション落ちまで環境に残り続けたゾロアークGXに似た『自分でドローしながらアタッカーになれる』という強みを持っていることがわかる。
それでいて火力はレシラム&リザードンGXなので、弱いわけがないのだ。
ここまでのことは、カードに書いてあることを読めば誰でも理解できることだろう。
ではここからはその先の本質的な強さについて掘り下げていく。
サンムーンレギュレーション後期のメインHPラインが、タッグチームGXの270だったのは記憶に新しい。
しかし、タッグチームGXが登場する前、メインHPラインといえばゾロアークGXの210やカプ・テテフGXの170であった。
ポケモンGXは2進化になるとHPが230~250くらいになるので、高くてもそのラインが基準だった。
また、ワザのダメージも1エネルギーあたり30~40ダメージで、だいたい120~150がいわゆる平均火力であった。
サンムーンレギュレーションの王者として君臨し続けたレシラム&リザードンGXは既存のポケモンGXを一撃で倒すダメージを出すことができたため、
ゾロアークGX等のタッグチーム以外のポケモンGXたちはレシリザ対策を余儀なくされ、その多くは対策しきれずに環境から姿を消していった。
それではこの本質的な理由は何か。
言語化してみるとこうなる。
『サイド3枚のポケモン(レシリザ)がサイド2枚のポケモン(ポケモンGX)を2回倒せるので、サイドを3枚取るのに対してサイドを4枚取られてしまい、サイドレースで勝てない』
レシリザのHP270はポケモンGXからすれば2回で落とすことになるので、その間に2回レシリザから攻撃を受けることになり、上記のような状況となる。
これに加え、同じサイド数のタッグチームGXでさえもGXワザやこだわりハチマキ等を使えば一撃で倒すことができる。
すなわち、3枚取られるより先に3枚取れることになるので、レシリザを倒してきたポケモンに対して先殴りができることになる。
レシリザが強かったのはこういった理由があるからなのだ。
では、ザシアンVも同様に考えてみよう。
ザシアンV、というか鋼タイプは、ガラルニャイキングが登場したことで火力の増強が可能になった。
いるだけで鋼タイプのダメージが20上昇する上に、重なる特性なのでいればいるほど強い。
これによりブレイブキャリバーのダメージが270に到達し、タッグチームGXを一撃で倒すことができるようになった。
つまり……?
『サイド2枚のポケモン(ザシアンV)がサイド3枚のポケモン(タッグチームGX)を一撃で倒せるので、サイドを2枚取るのに対してサイドを3枚取られてしまい、サイドレースで勝てない』
全盛期のレシリザと同じような状況が出来上がっているのがわかる。
これが、ザシアンVのカードテキストの奥にある本質的な強さだ。
普段なんとなくプレイしている人も、この本質を理解していればプレイングやデッキ構築に工夫を凝らせるようになると思う。
ザシアンVの強さ、お分かりいただけただろうか。
今後新しいカードが登場したときも、同じような考え方でカードを見れるようになると、より一層強いカードを見抜きやすくなると思う。
メタゲームの話をすれば、レシリザメタは弱点をついて一撃で倒すことだったが、
ザシアンVは鋼鉄のフライパンで弱点を消すことができるので、レシリザの頃とは別なアプローチで対策していく必要がある。
ザシアンVは使うにしろ使われるにしろ絶対に無視できない存在なので、なぜ強いのか理解して、的確なアプローチをしてもらえたらいいな。
今回はここまで。
【ポケカ】報われない努力、報われる努力《レシゼクと見た夢》
ポケカは努力のゲームだ。
どんなに素質があったって、どんなに強いポケモンを使ったって、努力しないことにはスタートラインにも立てない。
どっからどこまでを"努力"と呼ぶのか明確に定められているわけではないが、少なくとも、毎日欠かさずポケモンカードを触っているなら、それは努力していると言えると思う。
そして無論、それらの努力はすべて、勝つための努力だ。
勝たなければ報われない。
勝負をするということは、そういった残酷な場所に身を置くということなのである。
11月3日、私は秋葉原のシティリーグに出場した。
初めての大型大会だったので、当日までにかなりの練習量をこなした。
有名なデッキを試し、新しいカードを試し、仕事終わったらデッキを回し、ジムバトルにはほとんど毎週参加し、参加しない週はデッキ構築の見直しに明け暮れた。
当ブログにも度々投稿しているが、様々なタイプのデッキを作ってノウハウを蓄積し、ジムバトル初参加から3ヶ月、ついにジムバトル優勝を果たすことができた。
ジムバトルの優勝なんて大したことないが、大型大会で勝ち上がるためには最低限必要な実力のラインだと思っていたので、飛び上がるほど嬉しかった。
ジムバトル初優勝の2週間程前、シティリーグを翌月に控え、私はあることに気付く。
(レシリザのようなタッグワンパン高速高火力を持ち、ピカゼクのようなサイド複数取りができるデッキが強いのでは?)
その気付きから選ばれたポケモンがこちらだ。
レシラム&ゼクロムGX。
ククイもハチマキも無しに270ダメージを出し、GXワザは条件付きでベンチ2体に170ダメージ。
レシリザとピカゼクのいいとこ取りをしたような非常に都合のいいポケモンだ。
このポケモンを軸にデッキを組み、練習し、デッキの調整を重ねて、シティリーグでは100人中18位となんとも言えない成績を残すことができた。
今回はこのレシゼクについて、詳細に解説していこうと思う。
まずは、デッキリストを見てもらいたい。
私は今回シティリーグに参加するにあたって、勝てるデッキの条件を考えた。
①事故を起こしにくいデッキであること
②HP270をワンパンできるデッキであること
③カラマネロとレシリザに先攻理想展開されても勝てること
④先攻やぶれかぶれを返せる可能性が高い構築であること
⑤無人、アロベト、ラフレシア、フーパ、ケルディオ、メガミミプリンで負けないデッキであること
幸いなことにレシゼクは単体性能で②をクリアしていたので、あとはデッキ構築とプレイングで他の要素を補う必要があった。
●①事故を起こしにくいデッキであること
事故を起こしにくいデッキと言われてもピンと来ない方もいると思うので、明言しておこう。
ずばり事故を起こしにくいデッキというのは、「ドローするカード及びそれに(不確定だとしても)触れるカードが合計20枚前後採用されているデッキ」である。
ハイパーボールやカプ・テテフGX、プレシャスボールやデデンネGX等の「動けるカード」である。
ねがいぼしのジラーチを採用するデッキであれば、ネストボールもドローサポートに繋がる可能性を秘めたカードになる。
こういったカードを合計20枚前後採用するのだ。
細かい確率計算はそういうのが得意な人に任せるが、私は経験的に最低17枚、なるべく19枚は動けるカードを採用すべきだと考えている。
この動けるカード枚数のかさ増しに最も有効なのが、ミステリートレジャーとカプ・テテフGXの採用である。
ミステリートレジャーを4枚、カプ・テテフGXを2枚採用することで、デッキが非常に安定するようになるのだ。
枚数だけ見ても、上記の合計6枚にドローサポートを9枚、ハイパーボールを3枚で動けるカードの合計が18枚に達する。
ミステリートレジャーの複数採用は、システムポケモンにチャージアップのアーゴヨンを採用することで正当化される。
今回の構築は、ミステリートレジャーによって成り立っていると言っても過言ではないのだ。
●③カラマネロとレシリザに先攻理想展開されても勝てること
勝ち上がる上で避けては通れないのが、カラマネロ系統のデッキとレシラム&リザードンGXのデッキとの対戦である。
これらに勝てないデッキを使うくらいであれば、素直にカラマネロかレシリザを使った方が勝率は高くなるだろう。
今回はカラマネロへの勝ち筋として、あくのいましめのフーパやアセロラの採用と、レシゼクのクロスブレイクGXによるサイド複数取りのためのNの覚悟の採用を行った。
フーパやアセロラは普通のデッキにも多く採用されており、その有効性が実証されている。
クロスブレイクGXは、Nの覚悟を使用していればベンチポケモン2体に170ダメージというワザなので、カプ・テテフGXがいれば1ターンで3枚、いなくても2枚サイドを進めることができる。
相手にはほとんどワンパンされないので、GXワザを含めて計2回攻撃できると考えると、サイドを3枚取られるポケモンでサイドを3枚か4枚取れることになる。
そこにフーパやアセロラを合わせてあげれば、サイドレースを優位に進めることができるようになる。
また、カラマネロ系統のデッキに採用が多くなっているオーロット&ヨノワールGXのペイルムーンGXについても、レシゼクはエネルギー2枚で動けるのでエネルギーを剥がされたあとでも建て直しやすい。
続いてレシリザ対面についてだが、レシリザは基本的にタッグ対面では、エネルギーを6枚集めてダブルブレイズGXの300ダメージワンパンを狙う。
…のだが、基本的にレシリザはHP270を1回しかワンパンできない。
ククイハチマキで2回目が出来ないこともないが、
手貼りカキ→手貼りでエネルギー6枚、2体目に溶接工→溶接工→ハチマキククイとしか動けない。
するとどうなるかと言うと、タッグをワンパンした返しにワンパンされると、次のワンパンにかなり準備の時間を要することになる。
一方でレシゼクは、アーゴヨンのチャージアップを使用することで得に労力も必要とせずに270ダメージを複数回出せる。
つまりどういうことかレシゼク視点で言うと、
●レシリザにワンパンされる
↓
○レシリザをワンパンする
↓
●ワンパンされない
↓
○レシリザをワンパンするか、準備中にGXと非GXを倒して3枚取る
といったサイドレースが出来上がるのだ。
もちろん、レシリザ側はヒードランGXのヒートボンバーGXを使って取られるサイドを減らすプレイングも可能だが、結局ヒードランGXが倒されて場からエネルギーが飛び、2体目の準備中にサイドを取りきられてしまう。
レシゼク側の構築はカラマネロ系統のデッキに非常に似ているので、先攻やぶれかぶれでドローに触らせないお祈りをするくらいしかサイドレース的に優位に立つ方法がないのだ。
即ち、レシゼクはレシリザに有利なのである。
●④先攻やぶれかぶれを返せる可能性が高い構築であること
これについては、リーリエの枚数が大切になってくる。
リーリエを4枚入れられるデッキは、先攻やぶれかぶれに対してある程度耐性のあるデッキであると言える。
しかし、リーリエを4枚入れられるデッキというのはなかなかなくて、入れても2枚というデッキが多いのが実情だ。
そのなかでもリーリエ4枚採用が基本となっているのが、カラマネロ系統のデッキである。
ミステリートレジャーや各種ボールを駆使して1ターン目にマーイーカを全力展開し、次の番にカラマネロへの進化も狙いたいため、序盤はとにかく大量にドローしたいのだ。
その構築に寄せてデッキを組むことで、必然的にリーリエが4枚入り、ドローサポート自体も枚数が多めになる。
先攻やぶれかぶれはどう足掻いてもされる可能性があるので、返せる確率を構築段階から少しでも高めておくことも大事なことだと思う。
●⑤無人、アロベト、ラフレシア、フーパ、ケルディオ、メガミミプリンで負けないデッキであること
各種メタカードへの耐性、わかりやすく言い換えると、高いデッキパワーを持っていること。
ポケモンカードは構築の幅が広いので、様々なメタカードがしばしば採用される。
このデッキのあくのいましめのフーパやアセロラなんかもその類いだ。
特に効果が強力な、デッキによってはそれだけで詰みかねないようなカードは、シティリーグに出場する以上対策が必須であると思う。
無人発電所やアローラベトベトンについては、GX及びたねポケモンの特性依存にしない構築にしてやることで、どうにでもなる。
そういう構築は往々にして、メガミミプリンの打点を上げさせないデッキになる。
ラフレシアやフーパ、ケルディオGXについては、チャージアップのアーゴヨンがターニングポイントを使えるので、どうとでもなる。
最近は三神ケルディオでケルディオGXをよく見るので、はじめに三神を倒してサイドを3枚にして、ハチマキターニングポイントでワンパンするプランを取ることで有利に立ち回れる。
また、ねがいぼしのジラーチへのメタカードとしてよく採用されるあくのはきのアブソルが本当に迷惑だったので、効果を受けないアーゴヨンにUターンボードを持たせることでそれを解決した。
これによって場にエネルギーを残しやすくなり、レシゼクのダメージが90増えるという恩恵が得られた。
以上のように、勝てるデッキの条件を満たせることがわかったので、本腰を入れて構築と練習に励んだ。
続いては、それぞれのカードの採用理由について説明していく。
●ポケモン
《レシラム&ゼクロムGX》×3
メインポケモン。サイドレースを無視できるポケモンなので、サイドレースのゲームにおいて弱いわけがなかった。
2枚使うのでサイド落ち考慮して3枚。
システムポケモン。
ベンチに3体並べたいので、サイド落ち考慮して4枚採用。
メガミミプリンやケルディオ、フーパが環境に存在する以上、今レシゼクを使うなら間違いなくアーゴヨン型だと思う。
《マーシャドー(リセットホール)》×1
混沌のうねりを1回剥がしたいので1枚採用。
うねりを貼らないデッキに対しては、使用したトキワの森を剥がして2枚目のトキワの森を貼り、エネルギーを回す動きに使える。
《フーパ》×1
シティリーグでも大活躍した。
あくまでメタカードなので1枚採用。
《カプ・テテフGX》×2
デッキを安定させるためのカード。
初手にリーリエを引けようが引けまいが、使わない試合がなかった。
Nの覚悟やアセロラなど、ピンポイントで欲しいサポートが多いのもあり、サイド落ち考慮して2枚。
《デデンネGX》×1
リセットスタンプと枠を争ったカード。
最終的にこのカードが採用されたのは、リセットスタンプで相手を1ターン遅らせるより、デデチェンジで自分を1ターン早めた方が勝てるという結論に至ったからだ。
序盤に使うカードではなく、「ここで要求札に辿り着ければそのまま勝てる」という場面で使う。
また、ビリリターンGXも全く選択肢にないわけではなく、マヒで1ターン作りながらHPを削れるワザとして常に意識していく必要がある。
試合終盤で1回使えればいいので、1枚採用。
●グッズ
《ミステリートレジャー》×4
4枚入れない理由がない。
サンムーンレギュレーション中最強のグッズだと思う。
《ハイパーボール》《ネストボール》×3
ミストレ4枚に対しての黄金比率。
どっちかが多くても、どっちかが少なくてもダメだった。
ソードシールドでも待ってるからな!
《エネルギーつけかえ》×2
レシゼクと最も相性の良いグッズ。
Nの覚悟クロスブレイクGXや、手貼りつけかえ即起動など、様々な場面で必要になる。
デデチェンジはこのカードを引くためにしばしば使われる。
試合中に1回使えればいいので、サイド落ち考慮して2枚採用。
《こだわりハチマキ》×2
HP280を倒す際に、ワンパンできるかできないかがかなり重要な環境なので、しっかり引けるように2枚採用。
《Uターンボード》×2
レシゼクのダメージを90増やすカード。
相手にポケモンを倒された際に、レシゼクをベンチに残す選択肢を取れることによって、Nの覚悟からクロスブレイクGXを狙いやすくなる。
2ターン目に270ダメージ出すためにもほとんど必須なので、しっかり引けるように2枚採用。
●サポート
《リーリエ》×4
サンムーンレギュレーション中最強のドローサポート。
最序盤の展開が大事な今のポケモンカードにおいては、複数のボールと一緒に採用することでデッキを安定させることができる。
初手に引きたいので4枚採用だが、中盤普通にドローサポートとして使ったり、リセットスタンプ後のケアとして山札に残せておくと強かったりするので、4枚で正しかった。
《シロナ》×2
強さがぶれない、非常に安定したドローサポート。
どんな場面でも必ず6枚引き換えられるという強みに、何度も何度も助けられた。
4枚欲しいカードではないが、助けて欲しい手札のときにすがりたいカードなので、リーリエとの枚数の兼ね合いで2枚採用。
特別抱えておきたいカードもないので、非常に使いやすかった。
《溶接工》×3
レシゼクのダメージを増やしながらドローするサポート。
2ターン目に270ダメージを出すためにはほぼ必須。
レシゼクに雷手貼り、溶接工で炎をつけて即起動という動きにも使えたりするので、序盤と中盤に2回使うために3枚採用。
《グズマ》×1
倒さなければいけないポケモンがベンチにいるときに使うサポート。
といってもそんなに欲しい場面はなく、基本的に前のポケモンを倒していれば勝てるので1枚だけ採用。
クロスブレイクGXが実質グズマなのも、枚数が減った要因のひとつ。
シティリーグでは1回も使わなかった。
《アセロラ》×1
マオスイレンと違ってレシゼクを完全にサイドレースから除外できるので、グズマされて悲しくなることがない。
レシリザならエネルギーが重いので絶対マオスイレンだが、レシゼクはエネルギーが軽いのでアセロラで帰っても問題なく復帰できた。
《Nの覚悟》×1
レシゼクを使うなら必ず採用されるべきカード。
グズマを撃ちながら溶接工を撃てるカードと言えば、その強さが伝わるだろう。
グズマでレシゼク以外を倒される展開に持ち込めれば、このカードから一気にサイドを進めて逃げ切ることができる。
どうしてもダメなときにワンチャン祈れるカードが山札に残っていることも、心の支えになった。
GXワザに合わせて1回使えればいいので、1枚採用。
●スタジアム
《トキワの森》×3
2種類のエネルギーを扱い、トラッシュにエネルギーが欲しいデッキなので、迷わず採用。
なるべく序盤から引きたいが、スタジアムは1ターンに1回しか貼れないので、被らないように3枚。
Nの覚悟クロスブレイクGXを狙いたい試合では、最低限だけエネルギーをトラッシュに置いたらあとは手札を捨てて持ってこなかったりそもそも使わなかったりするプレイングも必要になる。
弱い場面がなかった。
●エネルギー
《基本炎エネルギー》×8
《基本雷エネルギー》×5
感覚で決めた枠。エネルギーはいつもそう。
2種類のエネルギーを貼りたいデッキでは、どちらかのエネルギーを多くしておくことで、「少ない方から手貼りする」という風にプレイングに一貫性を持たせられる。
三神もそうだが、エネルギー加速しやすい方に寄せて組むと結果論プレイミスを減らせるようになる。
以上が各カードの解説になる。
デッキの相性としては、
レシリザ有利
あとはだいたい五分五分
といった感じ。
サイドプランの立て方やデデンネの使い方、山札に残すカード選び等、レシゼクの豪快なテキストとは裏腹に細かいプレイングが必要になってくる。
だが、基本的に安定している上に上振れれば先攻2ターン目に相手のタッグをワンパンしてそのまま流れで勝ちまでいけるポテンシャルも持っているので、大型大会向きのデッキであると思う。
解説は以上!
今回のシティリーグでは報われなかったが、やれることはすべてやって挑んだので、天命を待った結果マッチング運に見放された、と思うことにしている。
(実際にあとから結果を見てみると、4-0と来て2連敗したが、負けた相手が優勝と準優勝していた)
カードゲームにおいて、報われない努力と報われる努力の差は、やはり運があるかどうかである。
でも、報われるかどうかジャッジされるところまでの道のりは、あまりにも遠くて険しい。
それでもやっぱり私は勝ちたいので、また次の大会に向けて努力しようと思う。
神様頼んだよ、また俺頑張るから。
今回はここまで。
【ポケカ】目指せ600ダメージ!《しまめぐりのあかし》に見る数値設定とサイドの考え方
こんにちは。Ryoです。
今回は、「しまめぐりのあかし」のテキストが面白かったので、これを題材にポケカの数値設定の仕組みとサイドの考え方について話していきたい。
けっこう難しい話になるので、ゆっくりゆったり理解しながら読み進めていただきたい。
では行こう。
●しまめぐりのあかし
まずは《しまめぐりのあかし》のテキストを確認しよう。
つけたポケモンGX・EXのHPが100減少し、倒されたときに取られるサイドが1枚減る。
先日のCL東京ではエクストラ環境で大暴れし、禁止カードになるまでに至った。
エクストラ環境での活躍もさることながら、スタンダード環境においても、
「素のHPでもワンパンされるなら、つけ得」
といった感じで、新カードの中でもなかなか強い部類のカードなんじゃないかなあと思う。
ではこの《しまめぐりのあかし》が、なぜこのようなテキストになっているか、詳しく見ていこう。
●HP100の差
これらのカードを見比べてみてほしい。
レシラム&リザードンGX
カプ・テテフGX
ジラーチ(ねがいぼし)
どれも非常によく使われているカードだが、実はこれらのカードは、上から順にHPが100ずつ小さくなっている。
そしてそれに付随するように、倒されたときに取られるサイドの枚数も1枚ずつ少なくなっている。
《しまめぐりのあかし》の妥当性はここにある。
そう、基本的にポケモンカードは、HPが100増減するごとに取られるサイドが1枚増減する数値設定がなされているのだ。
では続いて、この知識を実際の対戦に活かすための考え方について話していこう。
●サイド1枚分の価値
今のポケモンカードは、1ターンにサイド1枚分の価値がある。
攻撃できるのは番に1回だけなので、毎ターン攻撃しサイドを取り合ってゲームを進めていく。
非GXは一撃で、GXポケモンは二撃で、タッグチームは3回攻撃して倒していければ、一応サイドレースにはなる。
とここでまた《しまめぐりのあかし》のテキストを再確認。
HP100につきサイド1枚……。
1ターンにサイド1枚分の価値がある……。
どういうことか、お分かりいただけただろうか?
つまり、『1ターンにつきHP100分の価値がある』、更には、『ゲーム開始時のサイド6枚には、HP600分の価値がある』ということになるのだ。
これは言い換えれば、
「600ダメージ与えることでサイドは6枚取りきれる」
ということにもなる。
仮に、150ダメージを出せるポケモンで、HP200のポケモンを2回攻撃して倒した場合。
総ダメージ量 150×2=300
過剰ダメージ量 300-200=100
なんとサイド1枚分の無駄が出ることになるのだ。
サイド1枚分の無駄が出ているということは、1ターン分の無駄が生じているということでもある。
倒したのがGXポケモンならサイドレース的には問題ないかもしれないが、そういう局面が多発するようであれば、《こだわりハチマキ》と《ククイ博士》の採用は一考の余地があるだろう。
1ターンでHP200のポケモンを倒せるようになれば、それだけで1ターン得できるのだから。
●エネルギー1枚分の価値
ダメージの話を掘り下げていくと、1エネルギー当たりのダメージ量もだいたい決められていることに気付く。
だいたい『1エネルギー当たり30~40ダメージ』が相場だ。
ギラティナのシャドーインパクトが3エネルギーで130ダメージにデメリット付きなのは、1エネルギー当たり40ダメージだとしても120ダメージなのに、130も出るからデメリットつけようね、ってのが理由かと思われる。
レシリザのフレアストライクは4エネルギーで230ダメージなので、1エネルギー当たり57.5ダメージも出している。
しかし、連続して撃てないデメリットがあるため、1エネルギー当たりのダメージは半分になり、だいたい30ダメージということになる。
レシリザが強い理由は、先程述べた『1ターンにつきHP100の価値がある』ことを踏まえると、2ターン分の攻撃を1ターンにまとめてしていて、1ターン分早くサイドを進められるからなのだ。
(だからレシリザのフレアストライクは2ターン続けて撃っちゃダメだよ?良いな?)
そんでもって、1エネルギー当たり30~40ダメージということは、15~20エネルギーあれば、サイドを6枚取りきるのに必要な600ダメージを出せるということになる。
スタートデッキに入っているエネルギーの枚数はだいたい16枚だが、600ダメージ出すためならその枚数であることも納得できる。
ちなみにこの計算は、毎ターンポケモンが倒されることを前提にしている。
もし3エネルギーで120ダメージを出すポケモンが2回攻撃できれば、3エネルギーで240ダメージも出していることになるため、600ダメージ出すために必要なエネルギーの総数は3枚も減る。
今のポケモンカードは、1ゲーム中に自分の番がだいたい7回前後くらい回ってくるが、その間に15~20エネルギーも必要となると、そうやって1エネルギー当たりのダメージ量を高めるか、ガンガンエネルギー加速をしていくかしかないのだ。
●まとめ
いかがだっただろうか?
《しまめぐりのあかし》をヒントにサイド1枚当たりの価値を数値化し、エネルギー1枚当たりの価値も踏まえて、勝つために必要なエネルギー量やその価値の高め方等について話してきた。
いつもいつでも上手くいくなんて保証はどこにもないが、こうやって理論的に構築やプレイを突き詰めて練習を重ね、自分の選んだポケモンを信じれば、少しずつ勝てるようになっていく。
それがポケモンカードの魅力だと思う。
今回はここまで。
【ポケカ】博打とは呼ばせない《炎シャンデラ》デッキ解説
こんにちは。Ryoです。
今回は、最近ずっと使っていた炎シャンデラのデッキ解説をしようと思う。
主に秋葉原のジムバトルやトレリで使い続けたところ、思ったより勝率が高かったので、もっといろんな人に使ってみてほしいなと思い、紹介に至った。
圧倒的なデッキカット要求回数を持ち、非常に1ターンの手数が多いので、頭も手元もフル回転で最後まで駆け抜けたい人にはぴったりのデッキとなっている。
では行こう!
まずはその《シャンデラ》を見てほしい。
素点10ダメージに、デッキの上から5枚をめくってその中のポケモンの枚数×60ダメージを追加する。
ポケモン1枚で70ダメージ。
ポケモン2枚で130ダメージ。
ポケモン3枚で190ダメージ。
ポケモン4枚で250ダメージ。
ポケモン5枚で310ダメージ。
そしてなんと、めくったポケモンの中に炎タイプがいれば、そのままベンチに出すことができる。
進化ポケモンでも進化前無しで出せるので、攻撃しながら後続を展開していけるのだ。
ダメージがランダムなので与えたいダメージを与えたいときに与えるのは少し難しいが、常にタッグチームをワンパンする可能性を秘めている。
一見すると博打だが、構築と圧縮と山札作りで平均130~190ダメージを出すことができるので、再現性は高い。
また、シャンデラは非GXポケモンで倒されてもサイドを1枚しか取られないので、GXポケモンに対しては2回、タッグチームに対しては3回攻撃して倒せれば十分サイドレースは間に合う。
そのうち1回でもワンパンで倒せる番があれば、それだけでサイドレースで優位に立てる。
楽しさ、強さともにかなり自信をもって薦めることができる。
では、構築を見てもらいたい。
怒濤の複数種類4枚採用構築で、デッキを動かすことに特化している。
デッキが動き出せば、あとはサイドプランの組み方とプレイングで様々なデッキと互角以上に戦えるからだ。
まずは、それぞれの採用理由を見ていこう。
●ポケモン
【シャンデラ】×4
メインポケモン。かわいい。好き。
実はシャンデラを使い始めたのは、負け続きに抽選漏れ続きでモチベ維持が難しくなったため、好きなポケモンで戦おうと思ったのがきっかけ。
圧倒的な火力、展開力、そしてエンターテイメント性。
対戦前に相手と少し会話して空気が和めば、めくって大ダメージが出る度にリアクションを取ってくれる方が多かったので、使ってて楽しかった。
シャンデラからシャンデラをめくりたいので、最大数の4枚採用。
【ランプラー】×4
シャンデラから次のシャンデラをめくりたいが、ランプラーがめくれても次進化すればいいので、これもめくりたいってことで4枚。
超シャンデラはここを減らしてふしぎなアメを入れ、炎シャンデラはここを増やしてやみのいしを入れるのがベスト。
【ヒトモシ】×4
モシモシ。
エナジードライブ死を防ぐために、出してもエネルギーはつけないのが正解。
ともだちをさがすでポケモンを持ってこれるが、ヒトモシが前に出てエネルギーつけてワザを使うこと自体少ないので、ほとんどともだちはいない。
【マグカルゴ】×4
山札の中から好きな1枚を山札の一番上に置ける。
最重要システムポケモン。
しっかり狙ってくる人は、ああシステムわかってるなあって思う。
シャンデラの攻撃で確定でシャンデラを出し、殴り続けてサイドレースを進めるのに必須。
これがなければシャンデラは完全に博打と化すので、我々はマグカルゴに感謝しなければならない。
シャンデラやランプラー同様、シャンデラでめくりたいので4枚。
【バシャーモ】×3
ベンチポケモンにトラッシュから炎エネルギーを1枚つける。
殴れるカラマネロと言えば、その強さが伝わると思う。
カラマネロのシステムを搭載したおかげで、ジラーチによる逃げ0デッキ圧縮をそのまま取り入れることができた。
デッキのエネルギーの枚数を絞れたのも、非GXデッキとのサイドレースで巻き返すことができるのも、すべてこのカードのおかげ。
また、シャンデラの190ダメージとバシャーモの90ダメージでしっかりタッグチームを倒していける。
めちゃめちゃ強いが、エネルギーは最悪手張りでも数ターンならもつことと、どうしても1枚必要なポケモンがいたので、それに枠を譲って3枚。
【ファイアロー】×1
2エネで前に100、ベンチに50ダメージを与えられる。
テテフを倒そうとグズマしたがシャンデラがサボって130ダメージしか出ず、ベンチに逃げられたときに使う。
マーシャドーやジラーチが相手の場にいれば、それを倒しながらテテフを倒す番を作れるため、サイドレースで有利になれる。
また、苦手とする非GXデッキ(主にカラマネロ系統)に対しての切り札にもなる。
カラマネロを倒しながらベンチのジラーチに50ダメージを与え、バシャーモでカラマネロを倒しながらベンチに20ダメージでジラーチを落とす、といった、いわゆるサイド2枚取りが可能になるため、非常に強力。
逃げるエネルギーが0なので、ジラーチが機能不全になった場合(アブソルとアロベトがいてグズマ全落ちや、マタドガスなどのたねポケモンメタ)に逃げ0要因になれるのも強み。
メタカードなので1枚。
【ジラーチ】×4
デッキ圧縮、逃げ0、サーチと、役割が多すぎて入れない理由がないポケモン。
ジラーチでスタートしたすぎて4枚採用した。
場には2匹出し、エスケープボードと各種入れ替えカードで一度の番にねがいぼしを2回使ってデッキ圧縮を進めていきたい。
また、ジラーチを採用したことでポケモンいれかえを大量に採用でき、それによってグズマでマグカルゴを場に引っ張り出されて逃げられず負けるみたいな局面を返しやすくなった。
サイドレースで先行しやすいデッキなので、相手にその戦法を取られやすいのが欠点だったが、合法的に(?)ポケモンいれかえを採用できるようになり、よりジラーチの存在感が大きくなった。
【メタモン◇】×1
やみのいしで進化していく都合上、さすがに採用。
マグカルゴにもなれる。
ソウルバーナーでめくれたら笑顔で見送ろう。
●グッズ
【やみのいし】×4
レッド&グリーンがグッズとして使えるんだから弱いわけないよね。
ふしぎなアメとの最大の差別化点は、これ1枚でシャンデラになれること。
ソウルバーナーからランプラーがめくれて、次の番に手札にシャンデラがいないとき、その真価を発揮する。
2ターン目に攻撃するために必須なので絶対4枚採用。
【レスキュータンカ】×4
最強のリソース補充。
エネルギーを戻す必要がないので、タケシのガッツはすべて抜けた。
手札にも戻せる器用さ、グッズである手軽さともに、タケシのガッツ全抜きに至る大きな原動力となった。
ソウルバーナーから1枚落ちて、1枚はポケモンを手札に戻して、2枚は山札にポケモンを戻したいので、4枚採用。
【ポケモン通信】×4
序盤はサーチ、終盤は山札作りに大きく貢献するため、絶対4枚採用。
シャンデラのためにあるようなカードだなあと、使ってて思う。
【スーパーボール】×3
最強のポケモンサーチ。
欲しいポケモンが全て4枚採用なので、ハイパーボールより優先。
ポケモン通信でサーチしたいがポケモンが手札にないときにも手軽に使えるので、めちゃめちゃ強い。
だが終盤は使っても持ってきませんしかしないので、3枚だけ採用。
スーパーボールってこんなに強かったっけ~?ってなる。
【ポケモンいれかえ】×4
ポケモンカードの中で一番強いカード。
ジラーチのねがいぼしを番に2回使いたかったので、4枚フルで採用。
前述の通り、マグカルゴを前に縛られて負けるゲームを減らしてくれる。
有限リソースなので加減は必要だが、デッキを回すためならがんがん使っていこう。
それくらい圧縮とサーチが重要。
【エスケープボード】×2
ジラーチ専用ベッド。
基本的にジラーチ以外には貼らない上、逃げられるのは番に1回だけなので、ジラーチが2匹いようと片方についてれば十分なことから2枚だけ採用。
圧縮のため場に2枚つけてしまうこともあるが、それをやるのも終盤だけなので、基本的には1枚引ければ良い。
●サポート
【マサキの解析】×4
シャンデラのために作られた最強のカード。
デッキ圧縮は、ねがいぼしとマサキの解析を何回使えるかにかかっている。
初手から使いたい上に、グズマが必要な番以外は終盤だろうがとにかく使いたいので、4枚フルで採用。
強化ねがいぼしが弱い場面なんて一度もなかった。
【グズマ】×3
理想的なサイドプランをとるために必須のカード。
相手のテテフに1枚、シャンデラの倒し損ねに1枚、ソウルバーナーで落ちるのが1枚、よって3枚採用。
非GXに対しては、マサキで圧縮をかけるよりグズマでシステムポケモンを倒していった方が有効なこともある。
マグカルゴの逃げにも使えたりとなんだかんだ強いので、スタン落ちするその日まで一緒に戦いたいと思う。
●スタジアム
【巨大なカマド】×2
エネルギーに触れるトレーナーズということで、1枚サイドに落ちててもいいように2枚採用。
エネルギーの総数は少ないので、1回か2回使えれば役割は終わる。
しかし、このカードが入っていることで、相手にエネルギー多めのデッキだと勘違いさせることができ、剥がさせるプレイを要求できる。
憎きワンダーラビリンスやブラックマーケットを採用できるデッキに対しては、1枚抱えておくのを忘れないようにしよう。
●エネルギー
【基本ほのおエネルギー】×5
最高にちょうど良い枚数。
カマドを2回使えばほとんど山札から抜ききることができ、場のシャンデラに1枚とバシャーモに3枚、サイド落ち1枚を考慮してもこの枚数がベストとなる。
デッキのエネルギーは絞れたもん勝ち。
以上が各カードの採用理由となる。
続いて、立ち回りや留意点を見ていこう。
●初手で作りたい盤面と、理想盤面
初手で作りたい盤面は、以下の通りだ。
エネルギーは絶対につけてはならない。
メタモンは最悪置けなくてもいいので、ジラーチ2匹とヒトモシ1匹以上を出すことを心がけよう。
その理由は、あなぬけのひもでぐちゃぐちゃにされるのを防ぐためだ。
前のジラーチであれば倒されても全く問題ないので、この形で番を終われるように全力を尽くそう。
続いて、理想盤面はこちら(シャンデラで攻撃したあと)。
ベンチにシャンデラ、ジラーチ2匹、マグカルゴとバシャーモが1匹ずつ。
バシャーモはカラマネロと同じ役割を持てるので、「前のシャンデラが倒されたらジラーチを前に出して、たきつけるでシャンデラにエネルギーをつけたら入れかえる」という動きを繰り返すことができる。
また、シャンデラで攻撃する前にマグカルゴでデッキの一番上をシャンデラにしておくことで、バシャーモと合わせて毎ターンシャンデラで攻撃することができ、非常に安定する。
●手札の持ち方
このデッキでは、手札に何を持つかが非常に重要になる。
理想的なことを言えば、
・エネルギー2枚
・レスキュータンカ数枚
・マサキの解析数枚
・グズマ数枚
以上の4点が基本になってくる。
エネルギーは基本的にバシャーモで供給できるが、バシャーモをグズマで倒された場合にしんどくなるので、手貼り用に2枚残しておく。
シャンデラが毎ターン倒され続けても良いように、都度レスキュータンカで戻していくことも大切だ。
サポートはマサキを使い続けていれば良いが、サイドプランを組む際にグズマは絶対に必要になってくるので、最低1枚は持っておきたい。
●デッキの回し方の留意点(ここが本題)
このデッキは、「ねがいぼし」「マサキの解析」「スーパーボール」「ソウルバーナー」と、山札の上から何枚めくって云々という効果が多い。
これを繰り返して手札や盤面を作っていくわけだが……。
ここで注意して欲しいのは、
「めくり運が悪くて負けたのは負けた理由にならない」
ということ。
たとえば、ゲーム中に一度だけねがいぼしをして、そのめくりによって勝敗が決まるのであれば、それは確かに運ゲーでしかないだろう。
しかしこのデッキは、(使ってみればわかるが)山札の上から○枚見て○枚手札に加えるというのを何度も何度も繰り返すため、かなりの回数の選択をしていく必要がある。
選択を繰り返すということは、先を読んだ正しい選択が常に求められるということであり、端的に言えば、プレイの上手さ、正確さが求められるということなのだ。
「ねがいぼし」と「スーパーボール」が使える場面で、どちらから先に使うか?という問いに対して、
ヒトモシが欲しいなら「ねがいぼし」から、
やみのいしが欲しいなら「スーパーボール」から、
といった感じでね。
また、ソウルバーナーでめくれたヒトモシを出すか出さないかも大きな選択のひとつであり、私自身、ここを間違えて負けた試合と間違えずに勝てた試合がたくさんある。
一見ランダム性の高い《シャンデラ》というカードをメインに据えているが、ソウルバーナーに至るまでの過程でそれなりにプレイスキルを求められるため、「シャンデラは博打」は大きな間違いなのである。
炎シャンデラはスキルゲー、これはガチ。
●時間との戦い
このデッキは多くの選択を繰り返し、その分だけデッキカットを対戦相手に要求し、おまけに非GX主体のデッキである。
対戦開始からフルスロットルで動いていかないと、とてもじゃないが25分や30分では間に合わず、対戦相手にも迷惑をかけてしまう。
対戦の制限時間については別の記事で詳しく述べているが、冒頭で煽ったように頭も手元もフル回転で駆け抜けていくプレイ速度が求められる。
対戦後の頭の疲れを、シャンデラがオーバーヒートを撃ったあとのがくっと下がった特攻と重ねられるようになれば、あなたはもう立派なシャンデラ使いと言えるだろう。
●まとめ
シャンデラの可愛さに秘められた奥深さ、ご理解いただけただろうか?
ポケモンカードっぽいスキルゲーもしたいが、お手軽なエンタメ性もほしいなって思う方には、是非一度組んで使ってみていただきたい。
拡張性も高いので、好きなほのおポケモンを入れて戦術に組み込んでみるのも面白いかもしれない。
今回はここまで。
【TCG】対戦の制限時間について 《弱さの証明》
こんにちは。Ryoです。
今回は、TCGにおける対戦の制限時間について話そうと思う。
これについては色々な意見があると思うので、あくまでも僕個人の意見として聞いてもらいたい。
では行こう。
8月にワシントンで行われたポケモンの世界一を決める大会、ポケモンWCS2019のカード部門決勝にて下されたジャッジによる判定が、少し前に話題になった。
1分22秒の長考により、スロープレイのペナルティが下され、それによってそのゲームを落とすといった内容だ。
ペナルティを受けたプレイヤーは大変人気があり(僕も好き)、それまでのゲーム展開が激アツだったことも相まって、ネット上ではジャッジに対する批判の声が相次いだ。
多くのカードゲームには大会を円滑に運営していくためのフロアルールが存在し、基本的にジャッジはそれに沿って判断を下す。
大会後の本人の生配信では、正当なペナルティではなかったことが明かされているが、「警告」という形でならジャッジの判断は"100%ではないが"正しかったと本人の発言からは読み取れた。(詳しく話すと長くなるから割愛)
ではなぜスロープレイに対して警告やペナルティが課せられるのか、「円滑に運営していく」とはどういうことか、詳しく見ていこう。
●《円滑な運営 = 定時退社》
ほとんどの大型大会は、1日あるいは2日間で行われる。
広い会場を貸し切り、予めスケジューリングされた通りに大会は進んでいく。
逆に言えば、スケジュール通りに進まないと、その日の日程が終わらず、大会の運営やプレイヤー等多くの人間が夜遅くまで拘束されることになる。
スタッフに関しては実質残業だよね。
楽しいならそれはそれで良いんだが、時間が延びれば延びるほどコストもかかり、各所から不満も出てくることだろう。
そんなことが起きないように、カードゲームの大会では対戦に制限時間が設けられている。
その日は何回ゲームをする必要があるのか、開始は何時で終了は何時か、休憩はどれくらいか、その他様々な要因を勘案し、終了時刻に全日程が間に合うように、1試合当たりの制限時間は決定される。
15分、20分、25分、マッチなら60分、等々……。
大会を円滑に運営していくため、時間通りに終わらせて定時に帰るために、制限時間は必要なのだ。
でもこの制限時間は往々にして、かなりタイトな試合展開を要求してくる。
要はめちゃめちゃギリギリなのだ。
試合がもつれ込んだ場合なんかは、どんなに素早くプレイしていても時間切れが起き得る。
運営から課された制限時間に対して、
「時間足りねーよ!!」
と仰る人もいるかもしれない。
でもそれは言い訳にすぎないんだよね。
練習不足。
制限時間内に勝ちきれるデッキを選べなかったデッキ選択ミス。
上手く扱いきれないプレイヤーのスキル不足。
ひとつひとつの動作が遅い。
思考のパターン化が足りない。
等々。
それに、先程述べたように、1試合当たりの制限時間はその日の試合数を参考にしているところがあるため、
「参加できる人数を大幅に削り、1人当たりの試合数も減らしてまで制限時間延ばしますか?」
という話にもなってくる。
楽しめる人は減るわ、試行回数減少で運の要素が強くなって競技性が落ちるわで、プレイヤー側からすればメリットなんてないのである。
どうかどうか、大会の制限時間には文句を言わないであげてほしい。
●《スロープレイにペナルティが課せられるワケ》
試合で時間切れを起こしてしまうと、本来のゲームルール通りでない勝敗の決め方をされてしまう。
例えば「相手のライフを先に0にした方が勝ち」というルールなら、時間切れ時点でライフが多い方が勝つことになるだろう。
その後のゲーム展開で逆転できる可能性が高かったとしてもだ。
そんなのはもう別のゲームじゃなかろうか。
スロープレイにペナルティが課せられるのはこれを抑制するためだ。
意図的にプレイ速度を落とし、「相手よりライフを多く持ち続ける」練習をし、時間切れによるライフ差で勝とうと目論む器の小さな人間を駆逐するためだ。
運営側にも、タイトな制限時間を課しているとは言え、しっかりゲームをして勝負を決めてほしいという意思があるのだろう。
冒頭でポケモンWCS決勝のジャッジが「"100%ではないが"正しかった」と敢えて言ったのは、ペナルティを受けた本人に遅延の意図がなく、また試合展開を鑑みても非常に難しい局面で、遅延を行うメリットが全くなかったからである。
時間切れで勝とうと目論む器の小さな人間を駆逐するためのルールが、その必要性が全くない場面で発動してしまったら、そりゃあ批判は免れないだろう。
片方のプレイヤーによる意図的な遅延を抑制するために、チェスクロックを導入すべきでは、という意見もちらほら見かける。
確かにそれはいいよなあとは思うけど、ターンプレイヤーのターンに、非ターンプレイヤーが選択を行うカードが存在するカードゲームだとそれもできない。
懐疑論的に言えば、そのカードを使用したときに対戦相手が不必要にこちらの時間を消費してくる可能性だってなくはないのだ。
難しいところではあるが、チェスクロックが導入できるカードゲームタイトルってけっこう少ないんじゃなかろうか、と思う。
●《我々プレイヤーはどうするべきか》
制限時間の必要性や、スロープレイに対するペナルティの意味がわかったなら、我々がすることは1つだけ。
なるべく素早くプレイすること。
具体的に言えば、ターン開始時のドローやタップアンタップ等、1試合内だけでも相当数行う挙動を1秒早くできれば、その積み重ねによって1分近く時間短縮できるだろう、ということだ。
1分縮めれば1ターンになるし、1ターンあれば残り少なくなった相手のライフを削りきることだってできるかもしれない。
別にカードを投げるようにプレイしろとか、考える時間を減らせとか、そういうことを言っているのではない。
カードは丁寧に扱って然るべきだし、思考のゲームなのだから考える時間は絶対必要だ。
そうじゃなく、一手一手の動きを早めること。
制限時間内に勝負を決めて、なるべく時間切れを減らしていけたら、ライフ差による理不尽な決着もスタッフの残業もなくなっていく。
そしたらみんながもっと楽しくなるよね。
最後に。
遅延するプレイヤーは弱い。
ゲームで勝負できないから、時間切れで戦うしかない。
たとえ時間切れでゲームに勝ったとしても、プレイヤーとしては敗北だよね。
でも勝っちゃうと普通の練習をしなくても良いと思っちゃうから、尚更勝てない。
時間切れで戦うしかない。
悪循環だ。
真面目にゲームして負けても、それをバネに練習したり、デッキを見直したりすれば、勝てるようにはなるんだけどなあ。
ていうかそこがカードゲームの楽しいところじゃないのか。
「勝ちたい」っていう強い気持ちはあるだろうから、ちょっともったいないよね。
今回はここまで。