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渋谷のでかい交差点で、僕は、俺は、私は

【ポケカ】報われない努力、報われる努力《レシゼクと見た夢》

ポケカは努力のゲームだ。

どんなに素質があったって、どんなに強いポケモンを使ったって、努力しないことにはスタートラインにも立てない。

どっからどこまでを"努力"と呼ぶのか明確に定められているわけではないが、少なくとも、毎日欠かさずポケモンカードを触っているなら、それは努力していると言えると思う。

そして無論、それらの努力はすべて、勝つための努力だ。

勝たなければ報われない。

勝負をするということは、そういった残酷な場所に身を置くということなのである。




11月3日、私は秋葉原のシティリーグに出場した。

初めての大型大会だったので、当日までにかなりの練習量をこなした。

有名なデッキを試し、新しいカードを試し、仕事終わったらデッキを回し、ジムバトルにはほとんど毎週参加し、参加しない週はデッキ構築の見直しに明け暮れた。

当ブログにも度々投稿しているが、様々なタイプのデッキを作ってノウハウを蓄積し、ジムバトル初参加から3ヶ月、ついにジムバトル優勝を果たすことができた。

ジムバトルの優勝なんて大したことないが、大型大会で勝ち上がるためには最低限必要な実力のラインだと思っていたので、飛び上がるほど嬉しかった。





ジムバトル初優勝の2週間程前、シティリーグを翌月に控え、私はあることに気付く。

(レシリザのようなタッグワンパン高速高火力を持ち、ピカゼクのようなサイド複数取りができるデッキが強いのでは?)

その気付きから選ばれたポケモンがこちらだ。


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レシラム&ゼクロムGX。

ククイもハチマキも無しに270ダメージを出し、GXワザは条件付きでベンチ2体に170ダメージ。

レシリザとピカゼクのいいとこ取りをしたような非常に都合のいいポケモンだ。

このポケモンを軸にデッキを組み、練習し、デッキの調整を重ねて、シティリーグでは100人中18位となんとも言えない成績を残すことができた。


今回はこのレシゼクについて、詳細に解説していこうと思う。





まずは、デッキリストを見てもらいたい。

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私は今回シティリーグに参加するにあたって、勝てるデッキの条件を考えた。

①事故を起こしにくいデッキであること

②HP270をワンパンできるデッキであること

カラマネロとレシリザに先攻理想展開されても勝てること

④先攻やぶれかぶれを返せる可能性が高い構築であること

無人、アロベト、ラフレシアフーパケルディオ、メガミミプリンで負けないデッキであること


幸いなことにレシゼクは単体性能で②をクリアしていたので、あとはデッキ構築とプレイングで他の要素を補う必要があった。



●①事故を起こしにくいデッキであること

事故を起こしにくいデッキと言われてもピンと来ない方もいると思うので、明言しておこう。

ずばり事故を起こしにくいデッキというのは、「ドローするカード及びそれに(不確定だとしても)触れるカードが合計20枚前後採用されているデッキ」である。

ハイパーボールやカプ・テテフGX、プレシャスボールやデデンネGX等の「動けるカード」である。

ねがいぼしのジラーチを採用するデッキであれば、ネストボールもドローサポートに繋がる可能性を秘めたカードになる。

こういったカードを合計20枚前後採用するのだ。

細かい確率計算はそういうのが得意な人に任せるが、私は経験的に最低17枚、なるべく19枚は動けるカードを採用すべきだと考えている。

この動けるカード枚数のかさ増しに最も有効なのが、ミステリートレジャーとカプ・テテフGXの採用である。

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ミステリートレジャーを4枚、カプ・テテフGXを2枚採用することで、デッキが非常に安定するようになるのだ。

枚数だけ見ても、上記の合計6枚にドローサポートを9枚、ハイパーボールを3枚で動けるカードの合計が18枚に達する。

ミステリートレジャーの複数採用は、システムポケモンにチャージアップのアーゴヨンを採用することで正当化される。

今回の構築は、ミステリートレジャーによって成り立っていると言っても過言ではないのだ。




●③カラマネロとレシリザに先攻理想展開されても勝てること

勝ち上がる上で避けては通れないのが、カラマネロ系統のデッキとレシラム&リザードンGXのデッキとの対戦である。

これらに勝てないデッキを使うくらいであれば、素直にカラマネロかレシリザを使った方が勝率は高くなるだろう。

今回はカラマネロへの勝ち筋として、あくのいましめのフーパアセロラの採用と、レシゼクのクロスブレイクGXによるサイド複数取りのためのNの覚悟の採用を行った。

フーパアセロラは普通のデッキにも多く採用されており、その有効性が実証されている。

クロスブレイクGXは、Nの覚悟を使用していればベンチポケモン2体に170ダメージというワザなので、カプ・テテフGXがいれば1ターンで3枚、いなくても2枚サイドを進めることができる。

相手にはほとんどワンパンされないので、GXワザを含めて計2回攻撃できると考えると、サイドを3枚取られるポケモンでサイドを3枚か4枚取れることになる。

そこにフーパアセロラを合わせてあげれば、サイドレースを優位に進めることができるようになる。

また、カラマネロ系統のデッキに採用が多くなっているオーロット&ヨノワールGXのペイルムーンGXについても、レシゼクはエネルギー2枚で動けるのでエネルギーを剥がされたあとでも建て直しやすい。


続いてレシリザ対面についてだが、レシリザは基本的にタッグ対面では、エネルギーを6枚集めてダブルブレイズGXの300ダメージワンパンを狙う。

…のだが、基本的にレシリザはHP270を1回しかワンパンできない。

ククイハチマキで2回目が出来ないこともないが、
手貼りカキ→手貼りでエネルギー6枚、2体目に溶接工→溶接工→ハチマキククイとしか動けない。

するとどうなるかと言うと、タッグをワンパンした返しにワンパンされると、次のワンパンにかなり準備の時間を要することになる。


一方でレシゼクは、アーゴヨンのチャージアップを使用することで得に労力も必要とせずに270ダメージを複数回出せる。

つまりどういうことかレシゼク視点で言うと、

●レシリザにワンパンされる

○レシリザをワンパンする

●ワンパンされない

○レシリザをワンパンするか、準備中にGXと非GXを倒して3枚取る


といったサイドレースが出来上がるのだ。


もちろん、レシリザ側はヒードランGXのヒートボンバーGXを使って取られるサイドを減らすプレイングも可能だが、結局ヒードランGXが倒されて場からエネルギーが飛び、2体目の準備中にサイドを取りきられてしまう。

レシゼク側の構築はカラマネロ系統のデッキに非常に似ているので、先攻やぶれかぶれでドローに触らせないお祈りをするくらいしかサイドレース的に優位に立つ方法がないのだ。

即ち、レシゼクはレシリザに有利なのである。


●④先攻やぶれかぶれを返せる可能性が高い構築であること

これについては、リーリエの枚数が大切になってくる。

リーリエを4枚入れられるデッキは、先攻やぶれかぶれに対してある程度耐性のあるデッキであると言える。

しかし、リーリエを4枚入れられるデッキというのはなかなかなくて、入れても2枚というデッキが多いのが実情だ。

そのなかでもリーリエ4枚採用が基本となっているのが、カラマネロ系統のデッキである。

ミステリートレジャーや各種ボールを駆使して1ターン目にマーイーカを全力展開し、次の番にカラマネロへの進化も狙いたいため、序盤はとにかく大量にドローしたいのだ。

その構築に寄せてデッキを組むことで、必然的にリーリエが4枚入り、ドローサポート自体も枚数が多めになる。

先攻やぶれかぶれはどう足掻いてもされる可能性があるので、返せる確率を構築段階から少しでも高めておくことも大事なことだと思う。



●⑤無人、アロベト、ラフレシアフーパケルディオ、メガミミプリンで負けないデッキであること

各種メタカードへの耐性、わかりやすく言い換えると、高いデッキパワーを持っていること。

ポケモンカードは構築の幅が広いので、様々なメタカードがしばしば採用される。

このデッキのあくのいましめのフーパアセロラなんかもその類いだ。

特に効果が強力な、デッキによってはそれだけで詰みかねないようなカードは、シティリーグに出場する以上対策が必須であると思う。


無人発電所アローラベトベトンについては、GX及びたねポケモンの特性依存にしない構築にしてやることで、どうにでもなる。

そういう構築は往々にして、メガミミプリンの打点を上げさせないデッキになる。


ラフレシアフーパケルディオGXについては、チャージアップのアーゴヨンがターニングポイントを使えるので、どうとでもなる。

最近は三神ケルディオケルディオGXをよく見るので、はじめに三神を倒してサイドを3枚にして、ハチマキターニングポイントでワンパンするプランを取ることで有利に立ち回れる。

また、ねがいぼしのジラーチへのメタカードとしてよく採用されるあくのはきのアブソルが本当に迷惑だったので、効果を受けないアーゴヨンにUターンボードを持たせることでそれを解決した。

これによって場にエネルギーを残しやすくなり、レシゼクのダメージが90増えるという恩恵が得られた。


以上のように、勝てるデッキの条件を満たせることがわかったので、本腰を入れて構築と練習に励んだ。

続いては、それぞれのカードの採用理由について説明していく。




ポケモン

《レシラム&ゼクロムGX》×3

メインポケモン。サイドレースを無視できるポケモンなので、サイドレースのゲームにおいて弱いわけがなかった。

2枚使うのでサイド落ち考慮して3枚。


アーゴヨン(チャージアップ)》《ベベノム》×4

システムポケモン

ベンチに3体並べたいので、サイド落ち考慮して4枚採用。

メガミミプリンやケルディオフーパが環境に存在する以上、今レシゼクを使うなら間違いなくアーゴヨン型だと思う。


マーシャドー(リセットホール)》×1

混沌のうねりを1回剥がしたいので1枚採用。

うねりを貼らないデッキに対しては、使用したトキワの森を剥がして2枚目のトキワの森を貼り、エネルギーを回す動きに使える。


フーパ》×1

ギラティナカラマネロへのメタカード。

シティリーグでも大活躍した。

あくまでメタカードなので1枚採用。


カプ・テテフGX》×2

デッキを安定させるためのカード。

初手にリーリエを引けようが引けまいが、使わない試合がなかった。

Nの覚悟やアセロラなど、ピンポイントで欲しいサポートが多いのもあり、サイド落ち考慮して2枚。


デデンネGX》×1

リセットスタンプと枠を争ったカード。

最終的にこのカードが採用されたのは、リセットスタンプで相手を1ターン遅らせるより、デデチェンジで自分を1ターン早めた方が勝てるという結論に至ったからだ。

序盤に使うカードではなく、「ここで要求札に辿り着ければそのまま勝てる」という場面で使う。

また、ビリリターンGXも全く選択肢にないわけではなく、マヒで1ターン作りながらHPを削れるワザとして常に意識していく必要がある。

試合終盤で1回使えればいいので、1枚採用。



●グッズ


ミステリートレジャー》×4

4枚入れない理由がない。

サンムーンレギュレーション中最強のグッズだと思う。


《ハイパーボール》《ネストボール》×3

ミストレ4枚に対しての黄金比率。

どっちかが多くても、どっちかが少なくてもダメだった。

ソードシールドでも待ってるからな!


《エネルギーつけかえ》×2

レシゼクと最も相性の良いグッズ。

Nの覚悟クロスブレイクGXや、手貼りつけかえ即起動など、様々な場面で必要になる。

デデチェンジはこのカードを引くためにしばしば使われる。

試合中に1回使えればいいので、サイド落ち考慮して2枚採用。


《こだわりハチマキ》×2

三神ケルディオゾロアークへのメタカード。

HP280を倒す際に、ワンパンできるかできないかがかなり重要な環境なので、しっかり引けるように2枚採用。


《Uターンボード》×2

レシゼクのダメージを90増やすカード。

相手にポケモンを倒された際に、レシゼクをベンチに残す選択肢を取れることによって、Nの覚悟からクロスブレイクGXを狙いやすくなる。

2ターン目に270ダメージ出すためにもほとんど必須なので、しっかり引けるように2枚採用。



●サポート


《リーリエ》×4

サンムーンレギュレーション中最強のドローサポート。

最序盤の展開が大事な今のポケモンカードにおいては、複数のボールと一緒に採用することでデッキを安定させることができる。

初手に引きたいので4枚採用だが、中盤普通にドローサポートとして使ったり、リセットスタンプ後のケアとして山札に残せておくと強かったりするので、4枚で正しかった。


《シロナ》×2

強さがぶれない、非常に安定したドローサポート。

どんな場面でも必ず6枚引き換えられるという強みに、何度も何度も助けられた。

4枚欲しいカードではないが、助けて欲しい手札のときにすがりたいカードなので、リーリエとの枚数の兼ね合いで2枚採用。

特別抱えておきたいカードもないので、非常に使いやすかった。


《溶接工》×3

レシゼクのダメージを増やしながらドローするサポート。

2ターン目に270ダメージを出すためにはほぼ必須。

レシゼクに雷手貼り、溶接工で炎をつけて即起動という動きにも使えたりするので、序盤と中盤に2回使うために3枚採用。


グズマ》×1

倒さなければいけないポケモンがベンチにいるときに使うサポート。

といってもそんなに欲しい場面はなく、基本的に前のポケモンを倒していれば勝てるので1枚だけ採用。

クロスブレイクGXが実質グズマなのも、枚数が減った要因のひとつ。

シティリーグでは1回も使わなかった。


アセロラ》×1

ギラティナカラマネロへのメタカード。

マオスイレンと違ってレシゼクを完全にサイドレースから除外できるので、グズマされて悲しくなることがない。

レシリザならエネルギーが重いので絶対マオスイレンだが、レシゼクはエネルギーが軽いのでアセロラで帰っても問題なく復帰できた。

ギラティナカラマネロ戦で1回使えればいいので、1枚採用。


《Nの覚悟》×1

レシゼクを使うなら必ず採用されるべきカード。

グズマを撃ちながら溶接工を撃てるカードと言えば、その強さが伝わるだろう。

グズマでレシゼク以外を倒される展開に持ち込めれば、このカードから一気にサイドを進めて逃げ切ることができる。

どうしてもダメなときにワンチャン祈れるカードが山札に残っていることも、心の支えになった。

GXワザに合わせて1回使えればいいので、1枚採用。



●スタジアム


トキワの森》×3

2種類のエネルギーを扱い、トラッシュにエネルギーが欲しいデッキなので、迷わず採用。

なるべく序盤から引きたいが、スタジアムは1ターンに1回しか貼れないので、被らないように3枚。

Nの覚悟クロスブレイクGXを狙いたい試合では、最低限だけエネルギーをトラッシュに置いたらあとは手札を捨てて持ってこなかったりそもそも使わなかったりするプレイングも必要になる。

弱い場面がなかった。



●エネルギー


《基本炎エネルギー》×8
《基本雷エネルギー》×5

感覚で決めた枠。エネルギーはいつもそう。

2種類のエネルギーを貼りたいデッキでは、どちらかのエネルギーを多くしておくことで、「少ない方から手貼りする」という風にプレイングに一貫性を持たせられる。

三神もそうだが、エネルギー加速しやすい方に寄せて組むと結果論プレイミスを減らせるようになる。





以上が各カードの解説になる。



デッキの相性としては、

レシリザ有利

グランブルサーナイト不利

あとはだいたい五分五分

といった感じ。

サイドプランの立て方やデデンネの使い方、山札に残すカード選び等、レシゼクの豪快なテキストとは裏腹に細かいプレイングが必要になってくる。

だが、基本的に安定している上に上振れれば先攻2ターン目に相手のタッグをワンパンしてそのまま流れで勝ちまでいけるポテンシャルも持っているので、大型大会向きのデッキであると思う。


解説は以上!



今回のシティリーグでは報われなかったが、やれることはすべてやって挑んだので、天命を待った結果マッチング運に見放された、と思うことにしている。

(実際にあとから結果を見てみると、4-0と来て2連敗したが、負けた相手が優勝と準優勝していた)

カードゲームにおいて、報われない努力と報われる努力の差は、やはり運があるかどうかである。

でも、報われるかどうかジャッジされるところまでの道のりは、あまりにも遠くて険しい。


それでもやっぱり私は勝ちたいので、また次の大会に向けて努力しようと思う。


神様頼んだよ、また俺頑張るから。






今回はここまで。